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WordCamp Tokyo 2016 にスタッフとして参加してきた。

2016年9月17日、WordPressのコミュニティにおける最大級のイベントである「WordCamp Tokyo 2016」に、スタッフとして参加してきました。

「WordCamp Tokyo 2016」は、1日目のカンファレンスデイ、2日目の「コントリビューターデイ/チームハッカソン」の2日間で行なわれるWordPressにまつわる大型イベントです。

1日めのカンファレンスデイでは「ユーザートラック」、「テクニカルトラック」、「グローバルトラック」、「ショートトラック」と呼ばれる4つの講演ブースが並行して行なわれました。

スタッフとしての活動

私のスタッフとしての役割は、セッションのビデオカメラ撮影と、Twitterによるイベントの実況でした。

ビデオ撮影は、機材にまつわるドタバタがあり、かなりやきもきしましたが、午後からのセッションになってからは、だいぶ機材の運用が安定しました。

午前中にドタバタした関係で、Twitterによる実況は午後から本格的に始める形になりました。私が受け持ったのは、主に午後からの「テクニカルトラック」と呼ばれる講演ブースでした。午後からのテクニカルトラックの各セッションは、私自身も注目しているラインナップが揃っていたため、この時間帯の実況をしたいと自ら申し出ました。

久しぶりにがっつりとWebに関係する講演を聴いたため、なかなか良い刺激にもなりました。

Twitter実況

というわけで、当日にTwitterハッシュタグ「#wctokyo」で記載されたツイートを、Togetterを用いて、イベント終了後の夜に改めて自分でまとめました。

WordCamp Tokyo 2016 カンファレンスデイ #wctokyo 時系列ツイートまとめ(2016年9月17日) – Togetterまとめ

私を含めた実況スタッフのツイートがたくさんあると思いますが、それ以外にも参加者の皆様が沢山ツイートをしてくださいました。

感想

イベント規模としては、一昨年、昨年と比べると若干小さくなったような印象がありますが、セッションの中身は、少なくとも自分が見た範囲ではなかなか濃かったのではないかという手応えがありました。

スタッフとして参加したため、イベントの内容の全てを把握できたわけではありません。イベントの中では、スポンサーブースもあり、座談会、レクリエーション室、休憩ブース、授乳室などもあり、それぞれのイベントブースには多くのスタッフが携わっております。

WordPressコミュニティの特徴としては、まずは人の多さがあるだろうと思います。そしてその人たちにはそれぞれ様々な経歴・キャリア背景をもっております。人が多いということで、わからない部分を補完できる協力体制が盤石にあるという点が、WordPressコミュニティの強みである。そのことをWordCamp Tokyoによって改めて再確認した一日だったと思いました。

講演メモ : 2014年12月12日 FontLovers #1 #fontloversjp : Web Typography & Material Honesty – 小久保浩大郎さん

Fontlobers #1 に関するブログ記事

  1. 「Webデザイナーでも知っているべき、グラフィックデザインとタイポグラフィの常識」生明義秀さん
  2. 「Web Typography & Material Honesty」小久保浩大郎さん – この記事
  3. 「キャラクターから考えるフォント」森賢人さん

2014年12月12日に開催された FontLovers #1 から、小久保浩大郎さん( @kotarok )の講演メモです。

テーマは「Web Typography & Material Honesty」です。

メモは箇条書きで書いております。

(※ もしかすると後日加筆、修正する場合もあるかもしれません。予めご了承ください。)


Material Honestyとは

直訳 : 素材的な正直さ。素材的に正直に。

逆にMaterial Honestyじゃないものっていうと、スキューモフィック(以前のiOSのUIデザインのようにリアルな質感)とかが該当する。

それに対抗して、というわけじゃないけど、その素材・環境・特性に素直に従った方がいいというデザインの考え方が Material Honesty 。

WebにおけるMaterial Honestyとは

ウェブに関しては「実装を無理するなとよく言っている。Webでできること以上をやりすぎると、おかしなことになる。

ウェブが本来持っているDOMの構造やアクセシビリティ、ユーザビリティなどを損なうような無理な事はすべきでない。

ウェブの本質を一言で言うとしたら、アクセシビリティだと思う。

環境に対して素直な実装、デザインをするのは意味のあること。

Web Design is 95% Typography.

記事 : Web Design is 95% Typography | Information Architects

これは以前小久保さんが所属していた iA (Information Architects Inc.)Oliver Reichenstein 氏の記事。

書かれたのは2006年10月19日。当時センセーショナルで話題になった。

2つの重要な単語。

  • Macro-typography
  • Micro typography

Macro-typography = Information Design

Information Designのやっていることは、30年くらい前にタイポグラファがやっていた仕事なのだ。

ほかにも……

タイプフェイスを選ぶことは、タイポグラフィではない。

テキストをUIとして使え。 ……マクロタイポグラフィの概念に、より現代的な意味合いを付加する。

紙のタイポグラフィはスタティック(static:静的)。Webのタイポグラフィは、ダイナミック(dynamic:動的)なものだ。

Dynamically Responsive

ダイナミックにレスポンシブ

環境に対して動的に呼応する

アクセシビリティに対して良いこと。

ダイナミック(動的)だと、インターフェースの部分で形が決まる。

ウェブサイト(主体/objective) – インターフェース(interface) – ユーザー(人/subjective)

境目がインターフェース。

紙媒体だとインターフェースは固定されていて変わらない。ウェブは変わる。

ウェブ = ダイナミックなインターフェースは変化する。それはアクセシブルでもある。

ユーザー側の意思によって、変化させることができる。(わかりやすい例 : 点字ディスプレイ)

ユーザーが望む形でインターフェースが動的に変化して。ユーザーに情報が届く。

なので、ウェブの場合、ダイナミック(動的)であるということはすごく大事。

その特性をタイポグラフィに持っていくと……色んなことをがんばろうとしだしたりする。

がんばる

がんばった例

上記の例はいいけれど、がんばり方を相当うまくがんばらないとうまくいかない。うまくいかないのはMaterial Honesty的に良くない。

欧文と和文について

欧文はズルい

欧文はズルい

日本語・和文は、欧文と同じようなタイポグラフィ表現で勝負できない。

文字以外の要素でエレメントの区別を付けていくことが必要になる。

先に日本語でデザインしておけば、国際化に対応できる、というポジティブな発想で作る。

欧文は長い。和文はブロックみたいで短く済む。

文字の大きさ

欧文より和文・日本語の方が大きく見える。

x-height

和文は欧文と比べても、同じフォントサイズでも見た目の情報密度が低い。そして、かっこわるく見える傾向がある。

抽象的なシンボルとしての文字

見せ方によっては、グラフィックなのか文字なのかよくわからないケースがある。

がんばらない例

kotarok.com

ベースライングリッドは気にしていない。

インラインブロックを気にしている。

結論としては、Webの場合Material Honestyの観念から見ると、がんばらない方がいい。

(プレゼンここまで)


感想

ユーザー側によって情報を得る手段や状態が変化しても、同じ情報を取得することができる……小久保さんのお話は、紙媒体とWebの文字の扱い方の違いを比較しただけではなく、Webの根本的なところに迫ったお話ではないか思いました。

また、実はこのお話の裏テーマはアクセシブル/アクセシビリティだったのではないか、とも思いました。

Webの場合は見た目もさることながら、インターフェースが変化することを考慮しながらフォント選び等のデザイニングを心がけなければならないということを、再認識するセッションだったと思います。


参考リンク

講演メモ : 2014年12月12日 FontLovers #1 #fontloversjp : Webデザイナーでも知っているべき、グラフィックデザインとタイポグラフィの常識 – 生明 義秀(あざみ ぎしゅう)さん

Fontlobers #1 に関するブログ記事

  1. 「Webデザイナーでも知っているべき、グラフィックデザインとタイポグラフィの常識」生明義秀さん – この記事
  2. 「Web Typography & Material Honesty」小久保浩大郎さん
  3. 「キャラクターから考えるフォント」森賢人さん

2014年12月12日に開催された FontLovers #1 から、生明 義秀(あざみ ぎしゅう)さん( @g_azami )の講演メモです。

テーマは、「Webデザイナーでも知っているべき、グラフィックデザインとタイポグラフィの常識 」です。

メモは箇条書きで書いております。

(※ もしかすると後日加筆、修正する場合もあるかもしれません。予めご了承ください。)

(※ 小久保さん、森さんのセッションは後日記事としてアップする予定です。)


まずは、寄稿したある記事について。

まずは、この記事をご覧になったことはありますか? ……

記事: CSSでのフォント指定について考える(2014年) – DTP Transit

Webのデザインという以前に、Font-familyってどうしてたのよ? そんなんでいいのか!?

ブラウザによって表示が違う。名前つけなくちゃいけない。表示どうなるの?WindowsとMacで入っているフォント違うじゃん。

……そういう事もあって、私(※生明さん)が徹底的に調べて、このブログに寄稿しました。

伝わる情報を「表現」するには、何が必要か?

最終的なフォントの目的 = 伝えたい情報があるから

伝えたい情報をちゃんと読んでもらうために。本来それには何が必要?

  1. コンセプト(テーマ、ポリシー)
  2. 理論、技法(セオリー、テクニック)
  3. ツール(操作方法)

なお、デザインの勉強 = アプリケーションツールの勉強 ……ではない!(もちろん頭の中にあるものを具現化するには、必要な勉強の一部ではあるが)

今日の話は 2. の理論、技法について話します。

グラフィックデザインの4大原則 = 要素間における相対的な関係性の理論

グラフィックデザインの4大原則 = 要素間における相対的な関係性の理論

  1. 近接
  2. 整列
  3. 反復
  4. コントラスト

フィールドに対するアプローチ

デザイナーは「なんとな〜〜く」で要素を配置しない。

アートボードの中の位置の関係性を追求して、配置する場所を探す。

クライアントさん等とかに『どうしてその位置なんですか?』と言われた時に、答えられるようにできなければならない。理由がある。ビジネスである以上『なんとなく』という答えはできない。

近接

隙間がほとんど等間隔で配置されている…… (NG)

隙間に差を付ける。

近づけるということは離すということ。

何ミリ・何文字空ければいいの? → 実は決まっていない。隙間が空けばいい。ホワイトスペースという。

整列

真ん中に揃えるのが安心する…… (NG)

左揃え、右揃え、中央揃え。

中央揃えなんて滅多に使わない。左揃えがほとんど。

「見えない線」はデザインの命。

中央揃えはシンメトリー = 安心・安定感・威厳を感じさせるから、ついつい素人さんは使いがち。

反復

近接関係の感覚のリズムは、必ず同じリズムの感覚で。

反復で整えるのは、最初に説明した3要素の「コンセプト」を体現させることにもつながる重要なことである。

イレギュラーを極力さける。(もしやるなら大胆にやる)

コントラスト

見出しを大きくする。フォントウェイトも高める。

文字のサイズや色に、「差」をつける = コントラスト

各要素のアプローチ

(※ 生明さんがデモで4要素(反復を除く)の実例を見せました。以下は何を書いているのか文脈がわかりにくいかもしれませんが、メモをそのまま出します。)

近接

文字間(カーニング)を開く。縮める。

整列

右揃えの例

コントラスト (※ 見せる順番を変更)

要素別に異なるフォントウェイトを組み合わせる。

フォントサイズ

反復

一度出ているキャラクター(要素)を、別の形で再利用する。

何かを増やす場合、既存のものを複製して盛り込むと、4要素のルール的にもつながりが持てて、いい感じになる。

書体について

だいたい4種類におさまる。

  • serif(セリフ体/明朝体)
  • sans-serif(サンセリフ体/ゴシック体)
  • script(スクリプト体/行書体)
  • (上記以外) decorative デコラティブ系。デザイン書体。その他。

こんな使い方はよくない。(※ 下記リンクのURLは生明さんの紹介ではなく筆者が後から探したものです。)

コンセプトにかなうフォントを使用しよう。

フォントのキャラクター

同じ種類で異なる書体は、混在させない方がよい。

全く違い種類のフォントや、異なるウエイトを組み合わせて、コントラストの効果を狙う。


感想

主にフォントの書体とテキストレイアウトについての基礎的なところのお話だったと思いました。

基礎ではあるものの、こういうところこそ非常に大事であり忘れてはいけないポイントなので、良い復習になったと思いました。

そしてこういったものは、決してセンスや才能とかではなく、覚えようと思えば誰でも覚えられるロジカルなものでもあると思います。たとえ肩書き的に「デザイナー」と名乗るつもりがなかったとしても、覚えておいて損は無いものだろうと思いました。


参考リンク

聴講メモ : 2014年12月13日 #cssnite_shift8 : 基調講演 : Webのスーパーヒーローになる方法 – 長谷川恭久さん (追記あり)

2014年12月13日に開催された CSS Nite LP38「Webデザイン行く年来る年(Shift8)」 から、長谷川恭久さん( @yhassy )の講演メモです。

テーマは、「基調講演:Webのスーパーヒーローになる方法」です。

メモは箇条書きで書いております。

(※ もしかすると後日加筆、修正する場合もしれません。予めご了承ください。)


はじめに

(最初に参加者席に座っていた長谷川さんの知り合いの方を3名立たせて、その方々の経歴を紹介しました。3名とも職種が少しづつ違う方々でした。メモはその後から……)

今日ここに来ている方でデザイナーをされている方、立ってください。

エンジニアやプログラマなど、その他の職種をされている方も立ってください。

(会場参加者ほぼ全員立つ)

今日ここに来ている方、みなさん「デザイナー」です。プログラマとか関係ありません。ここで今立っている方々は、世界を変えている人達。世界中で繋がっているWebのために何かもっといいものを作りたいと思って今も何かを作っているのだと思う。

週末にセミナーに来るなんて、他の業種から考えれば、ある意味異常なこと。それでももっと良くしたいという気持ちがあるから来るのだと思う。

Webは今年で25周年になった。

Webによって技術や考え方、暮らしがだいぶ変わった。一人一人が情報公開。知識を共有。

Webを一人でも多くの人達に使ってもらおうと、毎日仕事をしているのが私達の役割。先ほど立った皆様「デザイナー」はものすごい力を持った人達だと思ってる。

人々を幸せにするのも、ストレスを与えてしまうのも、考え方を変えてしまうのも、「デザイナー」の力があってこそ。このすごい力を、私達は責任を持って使わなければならない。クライアントやチームメンバーに対して、正しくデザインを使うように広めてかなければいけない。

スーパーヒーロー = 「デザイナー」

責任を持って力を使わなければならない。

スパイダーマン『大いなる力には、大いなる責任が伴う』

スーパーヒーロー達から学べる3つの事。実践している事。


スーパーヒーロー達から学べる3つの事

  1. 巨大な敵に立ち向かう。
  2. 継続する。あきらめない。
  3. 自分以外の事を考える。

1. 巨大な敵に立ち向かう – 皆さんに実践してほしい事

自分より大きな的に戦いを挑む。

「デザイナー」の敵は?

クライアント?丸投げする上司?

違う。真の的は私自身。

「どうせ無理」

行動を起こさないための「どうせ無理」

デザインのポテンシャルを最大限に生かさないまま世に出してしまう。

「どうせ無理」が私達「デザイナー」が戦わなくてはならないもの。

私は面倒臭いデザイナー。依頼をされてもすぐには作らない。クライアントに対してまずはみんなで一緒に考えましょうと言う。

理想のデザインプロセスができるように努力している。

その結果、クライアントに体するいろいろな方法論、解決案などが分かった。

私がこう喋る事で「貴方(長谷川さん)は有名だからうまくやっていける。私は「どうせ無理」だと思う。」……という思考が働くかもしれない。でもそこでスーパーヒーローの役割の2つ目の点。

2. まずは続ける。あきらめない。

スーパーヒーローは期間限定では働かない。巨大な敵が出てきて負けた。それであきらめるわけにはいけない。

続ける事で、信頼や信用を得る事ができる。

悩む。苦しむ。時には一緒になって目的のために進む。

スキルや実績ではない。続けていることが尊敬に繋がる。

CSS Niteは10周年。

10周年はモチベーションだけでどうにかなるものではない。

苦情、批判、悪口もある。

続けているから、信頼、信用があるイベント。

大阪で制作会社をやっているある方(※ 名前が出ましたが、筆者の判断で念のため伏せます)は、平日はブログを毎日書いている。

平日に毎日書いても誰もアクセスに来ない、時間の無駄……「どうせ無理」と思うかもしれない。

でも続けた結果、大きめの案件が取れるようになった。読んでくれている人が増えている。

私はさすがに毎日ではないけど、10年間プログは続いている。Podcastもやっている。

最近はブログ記事の画像はSketch.appでやっている。

ブログを書く限られた時間で新しいスキルを得ようとやっている。本を読むよりいい。

私は失敗ばっかり。うまくいかないこともある。

敗戦はある。それでもあきらめないでつづけているからこそ、今でも自分がやるべき事をやっているのではないかと思う。

みなさんも何かやってみてください。続けてみてください。

3. 自分以外の事を考える

では、続けるためのモチベーションは?

一回成功しても「次は無理かも」と思ってしまう。それでも続けていくには?

スーパーヒーローは「自分をかっこ良く見せたい」とか「モテたい」とか考えていない。

家族の事や、コミュニティ、地域、社会、世界の事を考えて戦っている。今の自分には何ができるのかを考えて、敵と戦っている。「デザイナー」も同様。

自分がこうしたい、ああしたいということを考えるよりも、同業者達からチヤホヤされたいと考えるよりも、ここのサイトに来る人たちの事を考えているはず。サイトを運営する企業にとってベストな事とはなにかを考えるはず。

ここでも新たな敵が出てくる。

「どうせ無理」という思考はクライアントも持っている。プログラマ、マーケ、営業なども持っている。

色々な理由をつけて、あきらめる。するとデザインが不本意な形でサイトが世に表れる。

ソーシャルメディアを見ていると、よくないサイトの批判、批評をよく見る。

そういうサイトは必ずしもデザイナー、制作者だけのせいではない。ワークフローの問題が多い。

「どうせ無理」と考える人が責任を転嫁している。

誰が責任を持つべきなのか。私は「デザイナー」だと思う。

「私には関係ありません」「ディレクターの◯◯さんがなんとかしてくれる」「御社だからこそできる。弊社ではできないよ。」他人に期待する。

「どうせ無理」という(内面的な)敵と戦ってほしい。

でも一人でやるのは辛いと思う。

一人では無理と思う場面はある。仲間と一緒に戦うこともあるだろう(スーパーヒーローも「デザイナー」も)。

一人が無理だと思ったら、上司やチームメンバーなどに協力を求める。断られても、何度でも求める。分かってもらえるまで色んな手を使う。

おわりに

CSS Niteなどのような外部の集まりはいい場所だと思う。今日立ってくれた皆さんは、ふだんの職種を超えてみんなスーパーパワーを持っている。

先ほどは大まかなくくりでみんな「デザイナー」といったけれど、実際の皆さんは一人ひとり、仕事上での立場・役割が違う。

その違いをみんなで共有する事で、「こういう視点があるんだ」という気づきもあるはず。

それが明日への糧になるだろうと思う。

今日学んだ事は、ビルの小さなセミナーの空間から外に持っていかないと、何も変わらない。ただメモを取っただけでは、皆さんのやりたいデザインは実現できない。

仕事場に、クライアントに、広めてってください。

スーパーヒーローは皆様一人一人です。Webを良くしていきましょう。

(プレゼンテーションここまで)


感想

今回の長谷川さんのShiftでの講演は非常にメッセージ性、啓発性の強い、力のある内容だったと思います。過去のCSS Nite Shiftシリーズのみならず、長谷川さんの過去のこれまでの講演でもかなり突出した「熱さ」だったと思います。

今回長谷川さんが仰った「デザイナー」というのは、普段の業務におけるデザイナー(Webデザイナー)とは異なり、クライアント担当者をも含め、Webサイトづくりに携わるすべての職種の人を指し示していると解釈しました(なので上記のメモではあえて鍵括弧「」をつけました)。

そういう意味では、この日の2週間前に行なったMTDDCでの「好みや多数決で決めない、デザインとの正しい付き合い方とほぼ似通った内容だったとも思います。

ただし今回は、MTDDCの時よりもはるかに参加者のメンタリティに踏み込んだ力強さがありました。

皆さんはすごいパワーを持っている……これは立場や職種を超えて、誇りを持って「私はこれがいいと思う」という意見をみんなで出し合えば、あらゆる問題を突破できるということなのだろうというメッセージだと思いました。

自分の「肩書き」にとらわれすぎて、自らの可能性を狭めてしまうのが、最も勿体無いことなのだろうと思います。

参考リンク

追記 (2014-12-19): 長谷川さんによるエントリーが出てきました。

聴講メモ : 2014年11月29日 MTDDC : 好みや多数決で決めない デザインとの正しいつきあい方 – 長谷川恭久さん

2014年11月29日に開催された MTDDC Meetup TOKYO 2014 から、長谷川恭久さん( @yhassy )の講演メモです。

テーマは、「好みや多数決で決めない デザインとの正しいつきあい方」です。

メモは箇条書きで書いております。


今の私の仕事は「デザインをする前をデザインする」という仕事が多い。

イベントで色々な職種の人が集まるのは、いい機会だと思う。

色々な業種の人が一緒になってデザインを考えるということは、あまり無いのではないか。エンジニアとかウェブ担当者とか。

私も普段はデザイナーがよく集まるセミナーでの出演が多いのが現状、それ以外の職種が集まる機会が少ないのが残念に思ってる。

いまはウェブの制作・開発がすごく難しい時代になっている。なぜなら今は「全国民デザイン評論家時代」になっているから。

「自分はデザインなんて分からないですよ。」とは言いつつも、実際は後からこんな事を言ったり……

  • 青ではなく赤のほうがいい。
  • インパクト足りない
  • すごく使いづらい。
  • なんかわかんないけど、なんかちょっと違うんだよねえ。

『ユーザーの声がいいですよー』→みんながみんが「あれがほしい」「これがほしい」「使いづらい」→『では投票にしましょう」……こんなんだとプロジェクトはおかしくなる。

……だからと言って、専門家以外の人の意見を聞かないのはよくない。デザイナー以外の人がデザインを語ろうとするのは、すごく意味がある。そこからじゃないと分からない事はすごくたくさんある。

なので、デザイナー以外の人がデザインを語れる環境を作るのは必要。

(それでもみんなの意見をそのまま取り入れてデザインをする → スケーリングはしません。)

納品した後にデザインが崩れるサイトがある。サイトローンチ後にセンスを持った担当デザイナーがプロジェクトから離れてしまっても、デザインが破綻しないように、メンテナンスができるデザインが必要。

色んな人たちが「同意」ができるデザインの方向性を示さなければならない。

「同意」ができることが重要。

自分の視点、自分のテイストでデザインを語ってしまう傾向がある。でも、このプロジェクトでは(たとえ自分は嫌いでも)正しいと分かる何かが必要。

例えば……「ユーザー的には……」と言ったとしても、そのユーザーって、誰なの?……とか。

だからこそ、まずは議論をするための基盤を作る事。

正しい質問ができてない。「これどうですか?」 ← そういう風に言われたら『自分の感想』を述べるしかない。

理解ができる表現かどうか ≒ 同意ができるかどうか

私的には好きではないけど、このプロジェクトとしては正しいものであるという「同意」が必要。何を見ればその「同意」の基準ができるのか。

議論ができる仕組みを作ることが重要である。

(ここまでの要点)

  1. 議論の基盤を築いているか。
  2. 正しい質問をしているか。
  3. 理解ができる表現かどうか(≒ 同意ができるかどうか)

DESIGN

デザイン(Design)という言葉もいろいろある。

一般的には……

  • アーティスティック
  • 職人芸
  • センス

……それぞれが色々な切り口で『デザイン』という言葉を使っている。

例えば、営業の人が『デザインは単なる装飾』と言ったら、ヘタするとデザイナーに求めるオーダーはピクセルを変えるだけの仕事だと見られてしまう。

デザインというものは一体なんなのかというのを組織の中で定義する必要がある。

私の場合は……

  • コラボレーション
  • 提案
  • 葛藤

みんなで一緒に作るためのデザインというのはどういうものなのかというのを私の場合は意識している。

デザインの定義は人によって違う。だからこそ合わせなければいけない。

葛藤という点が、デザインの中で重要。

葛藤という言葉は健康的ではないように思うが、実は、葛藤というものが無いと、各人が持っているデザインのニュアンスやセンスを意見として表にに出してあげないといけない。

たとえば『20代の若いOL』と言われても、人によってそれぞれ詳細なイメージは違ってくるはず。

人々のイメージを絵や文字にして共有・意見をぶつかり合わせて、ビジネスでのゴールや人間像などを出して、導きだしていく。

デザインで一番難しい部分とは……

皆が正しい意見を言っている。立場が違えば優先順位は異なる。

ありとあらゆる言葉が共有されていない。(家族やごく小さなチームでは問題ない(感覚・ツーカーでもいい))

クライアント関係や大きな組織(10〜20人以上)でのやり取りだと、感覚・ツーカーは通用しなくなる。そこをどう共有していくか。

目的と言葉。当たり前は何もない。

「かわいい」「シンプル」などのキーワードでも、人によって見えているものは違う。それで「デザインどうですか」と言われても感想に違いが出るのは当たり前。

何をもって「シンプル」なのか、人によってはさっぱり分からない場合もあるだろう。

何も共有されていないのに、さあデザインを作ろう!といっても無理がある。

「みんなが同じ感覚を持ってるよね!」というのが間違っている。

  • チーム各自の人それぞれの感覚をたくさん出して、デザインアイデアを洗い出し、共有して、良いデザインを作り出していく。
  • 基本的にプロジェクトに携わる者は、皆が正しい意見を言っている。

共有するためのツールを誰かが(デザイナー、プロデューサーなど)作る必要がある。

下手をすると……

  • 好みやトレンドで決まってしまう。
  • エラい人が決める
  • センスのあるデザイナーが一人で作る

そうならないために、運営ができる、続けられるデザインを作る必要がある。ちょっとしたニュアンスもきちんと共有する。

What is “Good” — プロジェクトにおける「良い」を決める

チームとしてデザインを考える・進める(・評価をする)

デザインをチームで考える・評価をする。

  • A. 前提を整理・共有する
  • B. デザインが話せるように工夫をする。

A. 前提を整理・共有する

前提には2種類ある

  1. 企業・配信者側が考えるゾーン
  2. 顧客・利用者に抱いてもらいたいもの/ターゲットにしている利用者

それぞれのイメージを共有する

1. 企業・配信者

  • キーワードを書き出す
  • キーワードについて話し合う
  • 選別・グループ分け
  • 共感できる言葉を

簡単なワークショップで自分たちの企業が考えているそれぞれの感覚的な言葉をアウトプットしてもらって、共通している言葉・テーマを見つける。

単語・キーワードに込められる想いを社内で共有する。

言葉

  • 言葉 → タグラインではなく、ビジョン
  • 言葉 → 短くて明確なキーワード
  • 言葉 → ニュアンスを共有する

言葉→イメージ→デザイン

デザインのやり取りを経て、初めてパーツデザインの話・デザインガイドラインの話に取りかかれる。

2. 顧客・利用者

そもそも利用者側はどういった人たちなのかということを分析するのも重要。

やり方はいろいろあるが、インタビュー、アクセス解析を通してペルソナをつくるなど。

ペルソナ……4つのセクション

  • 動機になるポイント
  • 利用シーン
  • 解説
  • チェックポイント

ペルソナのポイント

  • ちょうど良い情報量
  • ブランドと合う人間像
  • 機能ではなく、ニーズを基に

なるべく利用者視点で「こう考えているだろうね」と考えるようにする。

B. デザインが話せるように工夫する

デザインの話をコントロールするのは、ファシリテーター、議長など、リーダーシップをとる者の役割。

批判と批評は違う。批評をしよう。

作ったものに対して、評価をする。

こういう話し方だと、作った者は傷つく。なるべくこうした言葉は使わない。

  • 〜に変えてください (NG)
  • 〜のほうが良いです (NG)
  • 〜にしてください (NG)

ポイントは……

  1. 傾聴
  2. 探索
  3. 意訳

1. 傾聴

  • まず黙って聴いてみる
  • すぐに結論に結びつけない
  • 話し手の意図や背景を知る

2. 探索

  • 聴いた事を深堀りする
  • 意図をより明確にする
  • 話題をフォーカス

3. 意訳

  • 聞いたことを自分なりに解釈
  • 複雑かつ誤解を生みそうな話題
  • 次の話題へ移る前に

おわりに

「Why?」 : 「なぜ」こうなったのかというところをきちんと理解する。相手を納得させるための理由を提示する。そのためのツールや根拠・データを用意する。

デザインは個人で作る時代ではない。チームで作る時代です。


感想

主な要点としてまとめると、以下のような感じだろうと思いました。

  • デザインは個人ではなく、チームで作る。
  • デザインを語ってよいのは「デザイナー」だけではない。誰でもよい。
  • チーム内でのデザインの意見を可能な限り洗い出して、必要とされるデザインを導き出し、それをチーム全体で共有する。
  • そのために必要なアウトプットの仕方にも工夫やルールとかが必要。

とにかく長谷川さんはプレゼンがうまい、ということで、自分は何回も長谷川さんのプレゼンを聴いております。

セミナーや勉強会などのイベントにおいて(日本で)わりと一般的にありがちなプレゼンテーションのパターンは、あらかじめスライドに書いた内容を話していくというスタイルですが、長谷川さんの場合は基本的にトークによるコミュニケーション・語りかけでプレゼンを進めていくスタイル(わりと欧米的・TED的)です。

この日の会場はマイクやプロジェクターなどの設備面のトラブルが多く、長谷川さんもそれに巻き込まれました。しかしながらそういった状態でも長谷川さんは冷静に場つなぎのトークをうまくやっており、さすがだなぁと思っていました。

プロジェクターが表示されない状態が数分続いていたまま話を続けていたのですが、どうやら長谷川さんは事例の紹介をしたかったらしく、そこでは(長谷川さんにしては珍しく)事前に作っていたスライドのビジュアルを見せる必要がありました(公開されたスライドの10〜12枚目についてです)。その際に、「スライドに頼っているプレゼンはよくないですね」とひとこと言ったのが印象的でした。

参考リンク