今年も「WordCamp Tokyo 2018」に参加します。 #wctokyo

今年も、2018年の9月14日と15日の2日で開催される「WordCamp Tokyo 2018」に、スタッフ(※当日スタッフ要員)として参加することにしました。

WordCamp Tokyo 2018 – Challenge!をテーマに、2018年9月14日~15日の2日間に渡って開催

9月14日(金) コントリビューターデイ

この記事を書いている本日9月14日(金曜日)は、コントリビューターデイです。

WordPressのコントリビューターデイで行なう事とは、ざっくりと言うと、WordPressにまつわるあらゆる事案を少しでも支援して、WordPressコミュニティに貢献するというアクション全般のことを指します。

貢献するための事柄としては、本格的なものから小さなことまで多くのものがあります。コアやテーマ、プラグインなどの開発関連。仕様のテキストの翻訳や、過去のコミュニティイベントの講演動画の字幕付け。そして、WordPressでブログを書くという行為もWordPressへの貢献として認められます。

詳細は以下のリンクでも説明があります。

コントリビューターデイの紹介〜9月14日(金) 1日目 – WordCamp Tokyo 2018

WordPressへの貢献は、いつでもできる。

今回コントリビューターデイに参加できなくても、WordPressへのコントリビューションはいつでも通年で可能です。Google検索等で調べるといくつか紹介記事があると思いますが、最近の記事だと以下のような記事もあります。

WordPressへの貢献の入り口を、デザイナーを例に図説します。 – Capital P

9月15日(土) セッションデイ

15日土曜日はセッションデイとなります。

タイムテーブルは以下のリンクの通り。

タイムテーブル – WordCamp Tokyo 2018

複数のルームで同時進行でセッションが行なわれます。

今回の各セッションは、開発系、運用系、デザイン系など、WordPressにまつわる各分野でそれぞれ本格的なセッションがびっしりと並んだという印象があります。

特に新型エディタとなるGutenbergにまつわるセッションがいくつかあるのが今年の特徴でしょう。

同じ時間帯で複数のセッションを聴くことは難しいと思いますが、おそらくほとんどのセッションは動画のアーカイブが残ると思われます。

参考リンク : 昨年のWordCamp Tokyo 2017のビデオアーカイブは、wordpress.tvというサイトの中にまとまって掲載されております。 > WordCamp Tokyo 2017 | Event | WordPress.tv

セッションデイの参加を予定している方は、ぜひとも楽しみましょう。

WordCamp Tokyo 2017 にスタッフとして参加してきた。

2017年9月16日、WordPressのコミュニティにおける最大級のイベントである「WordCamp Tokyo 2017」に、スタッフとして参加してきました。昨年に引き続きのスタッフ参加となりました。

今回のスタッフとしての役割

今回の私のスタッフとしての持ち場は、会場の入場口でした。来場した参加者を受付まで案内する、また、参加者から運営に関する質問があった場合はそれに対し適切に答えて対応する、などといったものでした。

最も大変な時間帯は、やはり朝の開場時だったと思います。開場の直前にはかなりの長蛇の列ができ上がり、一部の参加者の方にはご迷惑をおかけしてしまいました。開場直後の案内の難しさを感じました。

当初、自分の担当における忙しさのピークは始まった直後であり、それ以降は負荷はかなり緩やかであろうと考えておりました。ところが意外にも、必ずしもそうではありませんでした。

イベント全時間帯を通して、時折参加者がイベントTシャツを着たスタッフを探して、会場の施設や運営に関する細かな質問をする方々がいたりしました。また、何よりも印象的だったのは、カンファレンスの午前の遅く・正午あたりとか、午後になってからも、ポツポツと参加者が断続的に会場に訪れることでした。

いろんな人が来るWordCamp

会場の受付入場口には、さまざまな背景を持った参加者が訪れます。

WordCampの特徴のひとつとして挙げられるのは、参加者の属性のバラエティが非常に幅広いという点だと思います。東京版だけに限ったことではないと思いますが、WordCampに参加される方々は、確かにウェブの開発や制作の現場の第一線で活躍する方々が多いと思います。しかしながら、必ずしもそういう人達だけが来るとは限らないということです。

例えばベビーカーに乗った小さな子供とともに家族全員で会場に来ることも可能です。

WordCamp Tokyo においては、子供連れの家族が訪れても、安心して休憩等ができるような、休憩スペースを毎回設置しております。今回も畳敷きのスペースや、コーヒーサービス、授乳室などもありました。

参考:
子連れ WordPress ユーザーも大歓迎です! | WordCamp Tokyo 2017

畳のスペースでは、恒例のWordPressカルタ大会が今年も開催されました。

参考(イベント内企画のPR記事):
Let’s Enjoy カルタ大会! | WordCamp Tokyo 2017

WordCampを訪れる人の中には、外国からの超エキスパート級の開発者がいたりもします。外国人でも聴けるようなの英語と日本語の同時通訳のセッションもあったりします。

また、それとはほぼ対極に位置する方々として、初めてウェブサイトを作りたいと希望されているような超初心者の方がWordCampを訪れることもあります。この手の方は通常WordCampで行なわれるWordPressの技術セッションは、かなり敷居が高く感じられる場合もあると思います。そういった方々にも適しているのが『アンカンファレンス』と呼ばれる催し物です。

『アンカンファレンス』は、5人~10人程度のグループ単位で集まって、WordPressにまつわるさまざまなテーマに沿って会話をするというものです。WordPressの未経験者や初心者でも参加ができます。

WordCampには、参加者の様々な知識レベルに応じて、それに対応できるセッションやイベントルームが用意されております。

参考:
お悩み歓迎! アンカンファレンス – みんなどうやってるの? のご紹介 | WordCamp Tokyo 2017

こういったような理由で、WordCampは年齢、国籍、経歴、スキルなどは一切関係なく、非常に懐が深くかつ広いイベントだろうと思います。

見れないセッションがあったとしても……

また他に挙げられる特徴は、全時間帯を通して熱心に何時間も連続してセッションを聴講する方だけでなく、「このセッションだけを聴きにここに来た」という理由で遅い時間帯にピンポイントで会場を訪れる方も結構いるということです。

WordCampはどの時間帯から参加しても、特に問題はありません。受付の手続きを済ましていれば、参加者は開催時間中はいつでも入退室自由です。

仮にもし後から『やはりあのセッション聴きたかった……』と思ったとしても、大抵のセッションは後日ビデオが公開される可能性が高いです(※ 一部、登壇者の意向で動画公開NGの場合もあります)。

例えば、1年前の「WordCamp Tokyo 2016」のビデオアーカイブや、今年6月に開催された「WordCamp Kyoto 2017」のビデオアーカイブも、大半のセッションが公開されていたりします。

実は私は今回休憩中にわずかに1つだけセッションを聴いただけで、ほとんどのセッションは聴講できませんでした。それでも、まあ今回も、たぶん、おそらく、ビデオアーカイブはほぼあるだろうと考えております(た、たぶん……)。

感想

今年は、イベント運営の中核には参加せず、当日のスタッフとして本番日だけはしっかりと働こうという考えでイベントにジョインしました。そのような中で、例年とは異なる角度からこのイベントを見て、技術面における研鑽とは異なる、WordCampの別の一面を垣間見ることができたと思います。


参考リンク

WordCamp Tokyo 2016 にスタッフとして参加してきた。

2016年9月17日、WordPressのコミュニティにおける最大級のイベントである「WordCamp Tokyo 2016」に、スタッフとして参加してきました。

「WordCamp Tokyo 2016」は、1日目のカンファレンスデイ、2日目の「コントリビューターデイ/チームハッカソン」の2日間で行なわれるWordPressにまつわる大型イベントです。

1日めのカンファレンスデイでは「ユーザートラック」、「テクニカルトラック」、「グローバルトラック」、「ショートトラック」と呼ばれる4つの講演ブースが並行して行なわれました。

スタッフとしての活動

私のスタッフとしての役割は、セッションのビデオカメラ撮影と、Twitterによるイベントの実況でした。

ビデオ撮影は、機材にまつわるドタバタがあり、かなりやきもきしましたが、午後からのセッションになってからは、だいぶ機材の運用が安定しました。

午前中にドタバタした関係で、Twitterによる実況は午後から本格的に始める形になりました。私が受け持ったのは、主に午後からの「テクニカルトラック」と呼ばれる講演ブースでした。午後からのテクニカルトラックの各セッションは、私自身も注目しているラインナップが揃っていたため、この時間帯の実況をしたいと自ら申し出ました。

久しぶりにがっつりとWebに関係する講演を聴いたため、なかなか良い刺激にもなりました。

Twitter実況

というわけで、当日にTwitterハッシュタグ「#wctokyo」で記載されたツイートを、Togetterを用いて、イベント終了後の夜に改めて自分でまとめました。

WordCamp Tokyo 2016 カンファレンスデイ #wctokyo 時系列ツイートまとめ(2016年9月17日) – Togetterまとめ

私を含めた実況スタッフのツイートがたくさんあると思いますが、それ以外にも参加者の皆様が沢山ツイートをしてくださいました。

感想

イベント規模としては、一昨年、昨年と比べると若干小さくなったような印象がありますが、セッションの中身は、少なくとも自分が見た範囲ではなかなか濃かったのではないかという手応えがありました。

スタッフとして参加したため、イベントの内容の全てを把握できたわけではありません。イベントの中では、スポンサーブースもあり、座談会、レクリエーション室、休憩ブース、授乳室などもあり、それぞれのイベントブースには多くのスタッフが携わっております。

WordPressコミュニティの特徴としては、まずは人の多さがあるだろうと思います。そしてその人たちにはそれぞれ様々な経歴・キャリア背景をもっております。人が多いということで、わからない部分を補完できる協力体制が盤石にあるという点が、WordPressコミュニティの強みである。そのことをWordCamp Tokyoによって改めて再確認した一日だったと思いました。

講演メモ : 2014年11月30日 MTDDC : イマドキのCMSトレンドからWeb運用を再考する – 藤田 拓さん

2014年11月29日に開催された MTDDC Meetup TOKYO 2014 から、藤田 拓さん(言問株式会社)の講演メモです。

テーマは「イマドキのCMSトレンドからWeb運用を再考する」です。

スライド: イマドキのCMSトレンドからWeb運用を再考する

メモは箇条書きで書いております。


今回のお話

  1. Webリニューアル案件の悩みポイント2つをピックアップ
  2. 日本・海外CMSマーケット・トレンドの状況
  3. エンタープライズなCMSの変化
  4. Web運用のこれから

1. Webリニューアル案件の悩みポイント2つをピックアップ

1-1. 画面が小さいデバイスでのデザインをどうすればいいか?

スマートフォンサイトのアクセスは増えている。

ある調査によると、スマホサイトへの満足度は全体的に低い。

PCサイトはみんな頑張るでしょう。

スマホになると、ナビゲーションがあったり、自分から探しにいかなければならない。

スマホは画面が狭い。

PCだと訴求したいものを見えるようにできるが、モバイルはそれができない。

ウェアラブルとか、もっと画面が小さいものだとどうするか?

どうやってコンテンツを出していくべきか?

1-2. CMSを入れてもWebサイトが活性化していない?

フルCMS案件。サイトのほぼすべてをCMSで構築する

最高に更新しやすいCMS実装をしても、実際には更新されないケースも…。

実際にはリニューアル後はお知らせとか更新情報とかばかり、とか。

2. 日本・海外CMSマーケット・トレンドの状況

CMSベンダーシェア。ITR調査資料。

以前は静的CMSが強かった。MT強い(強かった)。

最近だと、海外CMSはすごく伸びている。静的CMSは減っている。

海外のCMS評価だと……

伸びているのはAdobe(旧Day Software)、Sidecore。

最近になって来ているのは、Drupal。

CMSにデジタルマーケティング対応機能が装備されているかどうかがポイント。

3. エンタープライズなCMSの変化

エンプラなCMSが変化。

昔のエンプラCMSの機能

  • 編集機能
  • リリース管理
  • 校正・承認
  • ユーザー管理
  • 開発・運用

こういうのはエンプラには欠かせない機能だが、正直つまんない機能(オーディエンスにとって面白味もなにもない機能)。コンテンツともあまり関係ない。

デジタルマーケティングの機能が付いたのが、近年のエンプラCMS機能の変化。

  • 編集機能
  • リリース管理
  • 校正・承認
  • ユーザー管理
  • 開発・運用
  • (近年のプラス)デジタルマーケティング機能

編集機能、校正・承認機能も変化。

編集機能

よくあるタイプであるカスタムフィールド型。テンプレートとがっつり統合しているケースが多く、仕様変更に弱い。

ブロック型。実はconcrete5みたいなブロック型の編集機能は、最近のエンプラCMSでは当たり前。

柔軟性ではブロック型の方がカスタムフィールド型より有利。

商用CMSの例 : オラクル (画面映像でデモ)

PHPベースのDrupalでも同様のことができる。

校正・承認

ライトなCMSが目を背けがちなところはプレビュー。

  • マルチデバイスでのプレビュー(将来的には勿論ウェアラブルも)
  • 多言語でのプレビュー
  • 会員/非会員の各機能権限でのプレビュー

……これらの要件に言い訳をしていませんか?

海外製のやつのプレビューはすごく良く出来ているものもある。

シミュレーション機能。concrete5もシミュレーション機能がある。

素朴な疑問。色々なデバイス・環境があるのに、プレビューできないのはどういうこと?

MovableTypeでもできればスマートフォンプレビューをネイティブで実装してほしい。

デジタルマーケティング

A/Bテストについて。

同じURLでA/Bテストを行なう機能。

Googleとかは違うURLでやれといわれるが、同一URLでABテストをできる機能が存在する。

ユーザートラッキング機能。

Cokkie渡して回遊しているユーザーをずっと追いかける。ユーザーを顕在化!「こういう事をやっていた人が会員登録をやる。」というのがわかる。

Marketoというツール。様々なアクションを集計。IPアドレスから国や年、企業名、業種などを特定。

パーソナライゼーション/セグメンテーションの機能

(例えば)ある地域に対してどういったコンテンツを見せるか。

曜日、地域、どのページを何回見たか?その人の住んでいる場所の気候。

ありとあらゆる属性・情報を取得し、それを元に見せるコンテンツを出し分けることができる。

さらに、情報を見る人のシミュレーションをペルソナ設定ですることもできる。

実際そんなことをやれるのかな?(回せるの?使えるの?)という疑問もあるが、ブロック機能とプレビューがしっかりしていないと、こういうことはできない。

ブロック機能とマルチチャンネル・条件プレビューができないと、デジタルマーケティング機能の活用は厳しい。

ポイントはZero IT。

高速なPDCA。Zero ITじゃないと高速に回せない。

CMSに解析ツールがなかったとしても、Google Analytics(以下GA)以外でも解析ツールがたくさんある。

GA、実は最近海外では「微妙だよね〜」と言われていたりもする。

例えばHubspotはインバウンドマーケティングで解析とかができる。

CMSのマーケティング面では、HubspotがWordPressよりも優秀だよねという声がある。

要はMAツール、解析ツールがCMS機能を付けているということ。

4. Web運用のこれから

いままで(〜2011年くらいまで)のCMS。……実装者が実装しやすいことを重視。あんまりユーザーのことを考えていない。

イマドキのCMSの視点。ユーザーに対してどういうサイトを展開していくのがいいかを重視。色んなユーザーに個別に訴求できるように。

GAのようにバルク(ひと固まり)で理解するのではなく、セグメント(細かい情報の断片とか?)として理解(個別も理解可能)。

2つの悩みポイントについての藤田さんの私見

悩みポイント1。画面が小さいデバイスでのデザインをどうすればいいか?

ウェブサイトもその人の状況を把握し、狭いエリアになるべく最適な形で情報を出す、という風になってくるのかなと思う。

悩みポイント2。CMSを入れてもWebサイトが活性化していない?

何かの施策を打ちたいというときに、どう変えればいいのかというアクションと、PDCを回すという所をスムーズにするためには、ブロック型CMSが重要になってくるのではないか。

かつ、ブロック単位にどんな事の結果になっているかというのがわかるとより良い。

もうひとつ

もうひとつ。運用後に活用しやすいデザインとスタイルガイドが重要になってくる。

例 : スターバックス(米国)のスタイルガイド

スタイルガイドがあれば、キャンペーン等を立ち上げる時もラク。

なぜかスターバックスのco.jpは米国などとは違う……

ルールに則ってやれば、車輪の再発明をする必要もなく、運用もしやすい。

そういう設計をすれば、今後CMS案件は幸せになると思う。

おわりに

ウェブサイトからデジタルチャンネルへ。効率的から効果的へ。

CMSも安いからとかではなく、運用のしやすさも考えて。

ただコンテンツを出すだけではなく、マーケティング・コミュニケーションをしていこう。

クリックよりも、どう行動しているか。点よりも線や面を考えて。

「使いやすい」よりも「ユーザビリティ」 = Use の Ability ……どういう風に使う可能性を増やしていくか。

ドカーンとローンチしたらそれで終わりじゃなくて、常に継続的なやりとりを心がけて。

実はECサイトや個人サイトって意外とこういうことをやっていたりするけれど、企業サイトもやっていったほうがいい。

(プレゼンここまで。太字の強調は筆者によるものです。)


感想

イベントから約1ヵ月ほど経過してしまいました……ですが、今後のCMS事情を把握する上でなかなかいいお話だったと思いました。

藤田さんのお話では、ブロック型のCMS(≒ 代表的なもののひとつとしてconcrete5)を推しているという点が強く印象に残りました。

ビジネスやマーケティングに即した内容のお話が多かったので、個人的にはついていくのがやや難しい点も多かったのですが、ただコンテンツを上げればいいだけではない、運用していくことの重要さや、それに対応していくためにCMSに求められていく機能は何かという点が、短時間で把握できるお話だったと思いました。

あと、このイベントに関しては、プロジェクターなどの画面まわりやスピーカーの通信といった音声面など、設備系トラブルが相次いで、ちょっと時間が短めだったり話の後半が駆け足気味になってしまったのがちょっぴり残念でした。


参考リンク

このブログのMTDDCに関する記事

講演メモ : 2014年12月12日 FontLovers #1 #fontloversjp : Web Typography & Material Honesty – 小久保浩大郎さん

Fontlobers #1 に関するブログ記事

  1. 「Webデザイナーでも知っているべき、グラフィックデザインとタイポグラフィの常識」生明義秀さん
  2. 「Web Typography & Material Honesty」小久保浩大郎さん – この記事
  3. 「キャラクターから考えるフォント」森賢人さん

2014年12月12日に開催された FontLovers #1 から、小久保浩大郎さん( @kotarok )の講演メモです。

テーマは「Web Typography & Material Honesty」です。

メモは箇条書きで書いております。

(※ もしかすると後日加筆、修正する場合もあるかもしれません。予めご了承ください。)


Material Honestyとは

直訳 : 素材的な正直さ。素材的に正直に。

逆にMaterial Honestyじゃないものっていうと、スキューモフィック(以前のiOSのUIデザインのようにリアルな質感)とかが該当する。

それに対抗して、というわけじゃないけど、その素材・環境・特性に素直に従った方がいいというデザインの考え方が Material Honesty 。

WebにおけるMaterial Honestyとは

ウェブに関しては「実装を無理するなとよく言っている。Webでできること以上をやりすぎると、おかしなことになる。

ウェブが本来持っているDOMの構造やアクセシビリティ、ユーザビリティなどを損なうような無理な事はすべきでない。

ウェブの本質を一言で言うとしたら、アクセシビリティだと思う。

環境に対して素直な実装、デザインをするのは意味のあること。

Web Design is 95% Typography.

記事 : Web Design is 95% Typography | Information Architects

これは以前小久保さんが所属していた iA (Information Architects Inc.)Oliver Reichenstein 氏の記事。

書かれたのは2006年10月19日。当時センセーショナルで話題になった。

2つの重要な単語。

  • Macro-typography
  • Micro typography

Macro-typography = Information Design

Information Designのやっていることは、30年くらい前にタイポグラファがやっていた仕事なのだ。

ほかにも……

タイプフェイスを選ぶことは、タイポグラフィではない。

テキストをUIとして使え。 ……マクロタイポグラフィの概念に、より現代的な意味合いを付加する。

紙のタイポグラフィはスタティック(static:静的)。Webのタイポグラフィは、ダイナミック(dynamic:動的)なものだ。

Dynamically Responsive

ダイナミックにレスポンシブ

環境に対して動的に呼応する

アクセシビリティに対して良いこと。

ダイナミック(動的)だと、インターフェースの部分で形が決まる。

ウェブサイト(主体/objective) – インターフェース(interface) – ユーザー(人/subjective)

境目がインターフェース。

紙媒体だとインターフェースは固定されていて変わらない。ウェブは変わる。

ウェブ = ダイナミックなインターフェースは変化する。それはアクセシブルでもある。

ユーザー側の意思によって、変化させることができる。(わかりやすい例 : 点字ディスプレイ)

ユーザーが望む形でインターフェースが動的に変化して。ユーザーに情報が届く。

なので、ウェブの場合、ダイナミック(動的)であるということはすごく大事。

その特性をタイポグラフィに持っていくと……色んなことをがんばろうとしだしたりする。

がんばる

がんばった例

上記の例はいいけれど、がんばり方を相当うまくがんばらないとうまくいかない。うまくいかないのはMaterial Honesty的に良くない。

欧文と和文について

欧文はズルい

欧文はズルい

日本語・和文は、欧文と同じようなタイポグラフィ表現で勝負できない。

文字以外の要素でエレメントの区別を付けていくことが必要になる。

先に日本語でデザインしておけば、国際化に対応できる、というポジティブな発想で作る。

欧文は長い。和文はブロックみたいで短く済む。

文字の大きさ

欧文より和文・日本語の方が大きく見える。

x-height

和文は欧文と比べても、同じフォントサイズでも見た目の情報密度が低い。そして、かっこわるく見える傾向がある。

抽象的なシンボルとしての文字

見せ方によっては、グラフィックなのか文字なのかよくわからないケースがある。

がんばらない例

kotarok.com

ベースライングリッドは気にしていない。

インラインブロックを気にしている。

結論としては、Webの場合Material Honestyの観念から見ると、がんばらない方がいい。

(プレゼンここまで)


感想

ユーザー側によって情報を得る手段や状態が変化しても、同じ情報を取得することができる……小久保さんのお話は、紙媒体とWebの文字の扱い方の違いを比較しただけではなく、Webの根本的なところに迫ったお話ではないか思いました。

また、実はこのお話の裏テーマはアクセシブル/アクセシビリティだったのではないか、とも思いました。

Webの場合は見た目もさることながら、インターフェースが変化することを考慮しながらフォント選び等のデザイニングを心がけなければならないということを、再認識するセッションだったと思います。


参考リンク